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2008みやざきレディース倶楽部グレイスの第2回定期講座は11月9日、宮崎市のメディキット県民文化センターで開催されました。今回のゲストは銅版画家の山本容子さん。「私の美術遊園地」と題し、画家としての年間を振り返りながら、洒脱で洗練された独自の銅版画の世界と制作の裏側を紹介し、観客を魅了しました。
 山本さんは、デビュー時の作品から、本の装幀、公共の場でのアートワークまでをスライドで紹介。音楽を聴いたり、ストーリーをイメージしながら描いているうちに新しい物語が生まれ、連鎖しながら一枚の絵になっていく過程に触れ、「時間や物語が凝縮され空間が埋められていくのが面白くてやめられない。作品を見て『すごい』『不思議』と思ってくれたら画家として本望」と語りました。
 「ストーリーや音に導かれ、心が揺さぶられたものをイメージしていくと、今まで知らなかった不思議な世界に出会える」と芸術の楽しみ方もアドバイス。
 また、病院で亡くなった父親の死がきっかけとなり、病室に絵を描いたというアートワークでは、モチーフ選びに苦労し、子供のころに幸せと感じたレンゲ畑を描いたというエピソードも明かしました。「作品のある場所、見る人を考え、そこにとって一番いいものを生み出すには、何でも壊して新しくするのではなく、昔の人があみだした技術を使って今を表現していくのも必要」と結びました。(宮崎日日新聞社)
主催:宮崎日日新聞社

お天気が定まらない中、わざわざ講演会にお越しいただきありがとうございました。又皆様とお目にかかれる日を楽しみにしています。