6 『海とジャワ島』


©️Yoko Yamamoto


キューコンチョーのターバンの中で目を覚ましたカオリとバナナ。
そっとターバンのすみっこをあけました。
そのとき突風が吹いて、バナナは海に落下。
カオリはターバンにしがみついていました。
キューコンチョーはキューコーカしましたが、見つけられずに、
かなしい声で「トルコまでひとっとびー」と鳴いて飛び去りました。
バナナはキューコンですから、プカプカ水に浮かび、南の島に流れついたのです。

このシーンを思い浮かべ、描きながら
島崎藤村の詩、「椰子の実」を歌っておりました。
「名も知らぬ遠き島より流れ寄る 椰子の実一つ……いずれの日にか故国(くに)に帰らん」

バナナを見つけたのは、バナナの木の上のこざるでした。
バナナはキューコンの名前ですが、南の島の看板でもあります。
相性が良さそうです。