LUCA Ripo

兄貴と一緒 LUCAS

母さんが仕事で京都へ行く。
京都では母さんのお気に入りのお店がいくつかある。
仕事終わりに「晦庵河道屋」の芳香炉鍋!湯葉、飛龍頭、かしわ、九条ネギ、どんこ椎茸、ほうれん草…
おうどんとお蕎麦にすだちをチョイとかけて食べる。おつゆが美味しい!
通り庭の突き当たりの奥の席が母さんの指定席。まずは常温の日本酒と鰊の甘煮でMaチャンと乾杯。
食後はきまって錦市場までブラブラ歩く。「珍味の喜久屋」、「京丹波屋」でポン栗や生姜糖を買って、京都駅に着く頃にはお土産で両手いっぱいになる。最後は志津屋の玉子サンドイッチィ~
ボクはただひたすら待つ
なにを?
いや母さんを…
16年くらい前になるだろうか。
庭にある石像が兄貴の墓石だ。
母さんが旅先のバリ島の古い家具屋さんの前を通りすぎようとしたら、ルーカス兄貴を見かけたような気がして振り返ると、石像がちょこんと座って母さんをジッと見ていたんだ。
深いご縁があって遥々バリから東京にきた石像は、何処からでも母さんが眺められる場所に居て癒してくれている。今も毎日母さんに小さな奇跡をおこしてくれているんだ。
※Maちゃんの「おこちゃん」追記
「またやっちまった~」
チューリップ事件の時に限らず私はいつもテラスに座っておこちゃんを見ている。おこちゃんと違って口数の少ない何かしら不機嫌な子供が私だ。右手に持ったハサミのチョキチョキ音がよほど嬉しかったのか、彼女は高揚してくるくる踊りながら「あ~らこんにちは…」たしかにチューリップの唄を歌っていた。
楽しそうにチューリップに話しかけながら…チョキチョキ。
「そんな事していいのかよ」と思いながら私もチョキチョキしてみたかった。





JAZZING 「Unforgettable」 ©️Yoko Yamamoto