7 『バナナとこざるのセン』


©️Yoko Yamamoto


バナナの木に登り、バナナちゃんを見つけたのはこざるのセン。
バナナセンボンタベタイヨーがモットーです。
センのモデルは友人の小説家石田千さんです。
手足と首の長いヒョロリとした身体が彼女の特徴。
また勝手にイメージを使いました。

南の島での楽しい生活は、言葉の通じない世界が必要。
友だちとの身振り手振りの問答を描くことで、
バナナちゃんのまずの不安は消えますね。

バナナの房を腰にぐるりとまいて踊るこざるのセンは、
1990年に版画にした黒人ダンサー、ジョセフィン・ベイカーがモデルです。
アメリカ出身のジャズ歌手・女優のベイカーは、
1925年からフランスでチャールストンを踊りました。
腰にバナナをぐるりとまいただけの姿で、黒いヴィーナスと呼ばれていました。
詩人ボードレールと小説家ヘミングウェイが、
ありのままの姿の彼女に熱狂したそうです。美の女神だったのですね。

こざるのセンは、エレガントに描きました。
バナナは、ナンボン食べたのかしら?